DTMデスクはDIYがお勧め
先日、「DTMデスクは何を買うと良いのですか?」とご質問を頂く機会がございました。この時、私は少し困ってしまいました。そもそも、DTMデスクというものがまだまだニッチな商品のためだと思うのですが、音響的に非常に不利な商品が多く、実は音を悪くしているものが多いからです。更に音楽制作の作業性を考えてもそれほど合理的な構造をしておらず、私も理想的な製品の登場を待っているというのが現状です。
良いものは高価なものが多いが…
実は、高価なものであれば、音響的にも人間工学的にも考えられたものが販売されています。例えばこちらのSterling Modularなどが挙げられます。
Sterling Modular 日本代理店ページ
Sterling Modular 宮地楽器のページ
https://www.miyaji.co.jp/MPL/brand.php?maker=Sterling%20Modular
Sterling Modular 本国の公式サイト(英語)
こちらのデスクや機材のラックは音響的にも操作性的にも非常に考え抜かれて作られており、良い製品です。
他にも、Argosyconsoleの製品などもあります。
https://argosyconsole.com/eclipse/eclipse-universal
反射がポイント
基本的には、音の反射する「面」となっている部分をできるだけ減らすということが大切です。理想的には、この様な形が推奨されます。
音の反射を極力抑え、またどうしてもできてしまう面は多角形にすることで、反射を分散させています。ただ、こうしたデスクやラックはまだまだ高価なものに限られているということが難点です。そして安価なものですと、全く音響面が考慮されておらず、逆に音響的に不利になってしまうものばかりです。これはまだコンシューマー向けでこの分野が成長しておらず、良し悪しが研究されていないからで、実は低コストでも、音の反射を減らしたり、多角形にすることは可能なのですが、まだ製品がありません。現時点では、まだ「DTMデスク」と銘打った商品は買わないでおくのが得策かもしれません。
安価に良い環境を手に入れるには?
むしろ、「DTMデスク」を買うよりも、できる限り面積を小さくした天板の机を使って下さい。また、可能であれば机すら排除し、キーボードスタンドなどで代用して頂ければ、更に安価に音質向上することができます。
もちろん作業性を考えると、ある程度天板は必要ですが、キーボードやマウス、コントローラーがギリギリ置ける、できる限り小さな面積にして、書き物やちょっとした物を置くのは、キャスターなどで移動できるサイドテーブルを脇に用意して頂くと良いです。
キーボードスタンドに小さな天板を乗せるだけで音響的に有利なデスクになります。
(例)キーボードスタンド
K&M (ケーアンドエム) / 18953 キーボードスタンド テーブルタイプ
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/159638/
(例)天板
https://www.amazon.co.jp/dp/B00WWQ13II/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_xWzuCbGAXFYNJ
※この様な安価な天板の上にキーボードやコントローラーを置くのもお勧めです。天板はお好みで、好きな大きさにカットしてくれる強化ガラスや、好きな大きさにカットしてくれる木目の美しい木製天板にグレードアップしても良いと思います。
面積が足りなければ、手元にこの様な可動式のサイドテーブルを置くと良いです。
(例)
https://www.amazon.co.jp/dp/B01B2ASQ7K/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_QrzuCbHCNFF55
https://www.amazon.co.jp/dp/B076LTT4PT/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YqzuCb90WV9SX
あまり音響的にはオススメではないのは、モニタースピーカーの周辺や、パソコンのディスプレイ周辺に、様々な余計な反射するものが配置されてしまう様なデザイン。
(例)音響的にあまりお勧めできないデザイン
http://www.quiklok.com/catalog/?p=productsMore&iProduct=362&sName=Z-250-BK-CY
https://www.musicland.co.jp/pb/pro-style/kwd/
https://zaorstudiofurniture.com/index.php?page=mizax2
https://zaorstudiofurniture.com/index.php?page=idesignidesk19
こうしたタイプのものは不要な反射音や、スピーカーからのサウンドに悪影響なレイアウトになってしまっています。この価格帯の製品は、2019年現在、調べた範囲では、残念ながらまだ音響的な考慮がなされていないものが多いので、もう少し良い製品が登場するのを待つのが得策かと思います。上記挙げさせて頂いたメーカーなどでは、キーボードスタンド的なものやそれに準じた形状のものも販売しているところもありますので、現時点ではキーボードスタンドなどを購入して頂ければと思います。
DIYがオススメ
ちなみに、まだまだ手頃で良い製品がないので、私は自宅ではデスクも1〜2万円以下、ラックも一万円以下の材料費でDIYで作り使用しております。
荻窪にあるスクールの方でも、スタジオのメンバーとDIYで自作してみました。
反射面をできる限り減らしていて、お金もかからず、大きさや高さもいつでも変更できるので非常に便利。
ガラスにしてみたり、好きな風合いの木材で作ったり、自分好みにカスタマイズできます。この時はオイルフィニッシュにしました。材木の端材を頂いたので、材料費が安価でも高級感があります。
作り方もいずれこちらでご紹介できればと思っております。とにかく反射面をできる限り減らすことがコツです。それさえしっかり守れば、音の反射を極力抑えた、とても高音質な環境がコスパ抜群で手に入ります。一手間かけても良いという方は、是非挑戦してみて頂ければと思います。
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